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ブロッコ・デリの種々雑多な調子。

ま〜るいマルチタッチFTIRテーブル試作(前編)

2009-05-27(Wed) 22:41

投稿者: kisocci

最近は日本でもFTIRの話題が増えてきました。

FTIR(Frustrated Total Internal Reflection)とは、アクリル板と赤外線の全反射の性質を利用したマルチタッチ認識方法。
アクリル板の横壁から赤外線を照射して全反射を利用して赤外線をとじこめます。アクリル板表面の指で触れたところだけ全反射が崩れて赤外線がアクリル表面から飛び出します。もれた赤外線をウェブカメラなどをつかって撮影し、その画像のコントラストから指の位置を割り出します。マウスのように手とポイントが一対一の対応するのではなく、画像全体のコントラスト(斑点模様)から認識しますので、複数のポイントを同時に認識することができるというわけです。

このFTIR方式によるマルチタッチ入力装置/アプリケーションは、Adobe MAX Japan 2009(2009年1月29,30日開催)ではFLASH OOPさんの展示でもありましたので実際にご覧になった方も多いのではないでしょうか。

また、FTIRテーブルの制作方法はすでに2,3年前からネット上であきらかにされています。
http://lowres.ch/ftir/
http://www.digitalstratum.com/programming/ftir_build
http://www.ehow.com/how_4559676_build-multitouch-ftir-table.html
FTIR multi-touch display how-to guide(PDF)

さらにFTIR方式に限らず、同じ赤外線を使うDI形式やその他マルチタッチ技術全般については、nui group communityなどで今も活発な情報交換がなされています。

このように数年前から現在もなお、まだまだホットなマルチタッチの分野。マルチタッチをハンドリングするソフトウェアとしてtBetaといったものもでてきており、ますます簡単にマルチタッチ環境をDIYすることができるようになりました。

そんな折、ブロデリではちょっと毛色の違うFTIRの試作をしてみました。

「円卓&コンパクト」

たまたまDIYショップで見つけた直径10cmの円形のアクリル版と、使うあてもなく衝動買いしたポケットプロジェクタ「Optoma PK101」。
Round Acrylic BoardOptoma PK101

これらを使って、手の平にのる、ま〜るいマルチタッチテーブルをつくってみたいと思います。


材料

アクリル版(直径10cm円形/厚さ1cm)

IR LED
赤外線発光ダイオード(OSIR5113A 秋月電子

IR Filter
赤外線パスフィルタ(FUJIFILM IR88)

Web Cam
ウェブカメラ(ELECOM UCAM-DLU130HSV)

ACアダプタ(ころがってた12V-1Aを使用)
抵抗(360 Ohm x 2)
配線少々

1. ウェブカメラ改造
過去のどの例にもありますが、まずはウェブカメラを赤外線対応にする作業です。おおよそのウェブカメラに搭載されているCCD/CMOSは赤外線も感知します。そのため通常は赤外線除去フィルターがレンズに装着されています。そこでその赤外線除去フィルターを取り除き、かわりに可視光をカットする赤外線パスフィルターを装着します。これにより赤外線光のコントラストをより強くウェブカメラに認識させることが可能となります。

detach side covers
左右のキャップをはずし、
(レンズ周りのベゼルもはずしましたが、これははずす必要はありませんでした。しかもツメが壊れて戻らなくなってしまい、、、涙)

pull camera off
カメラをひぱりだします。(上部二カ所にツメがありますのでそこをケアすると楽にとれました)

camera part
カメラ部のアップ

IR-block filter on lens
レンズはネジ式なのでまわせばはずれます。はずしたレンズの中には赤外線除去フィルターが貼付けられています。

remove IR-block filter
バキッとはがします。

IR-pass Filter
同じ形状にカットした赤外線パスフィルターをかわりに装着します。

attach IR-pass Filter
なんか指が汚くてごめんなさい。
レンズをカメラに再び装着し、逆をたどってウェブカメラを元の状態に組み上げます。

Default capture with IR-block filter
ちなみに、ウェブカメラの映像はこのように違います。これが、改造前の状態。赤外線LEDは発光していますが、見えませんね。

capture without IR-block filter
こちらが赤外線除去フィルターをはがした状態。赤外線発光を見ることができます。

capture with IR-pass filter
そしてこちらが赤外線パスフィルターを装着した場合。赤外線のコントラストがはっきりとでます。

2. 円卓の作成

IR-LED placed as a ring
いきなりですがとりいそぎボール紙で輪をつくり、赤外線発光ダイオードを指し、リング状に配置しました。

schematic of Round FTIR Table
回路図はこのような形に。赤外線発光ダイオードを8コ(数は適当です。これくらいあれば十分かな、と)使ってみました。電源は12V。この発光ダイオードの順電圧Vfは1.25Vでこれを4つ直列にすると、5Vかかることになります。また、このダイオードの定格電流は20mAですので、電流制限抵抗は(12-5)=7Vに0.02A流すということで350Ωと計算されます。とりあえず、道具箱に転がっていた360Ωで代用。

Connect, FTIR Round Table prototype
ブレッドボードを使って仮配線。

3. スイッチオン!

tBeta / Ring FTIR
ダイオードをシールドせずに先ほど改造したウェブカメラで撮影。それをtBetaを用いてマルチタッチ(複数のBLOB)を認識できているかを確認。赤外線をちゃんと認識していることを確認しました。でもダイオードの発光を直接受像していますのでこれでは役にたちません。

Shield IR-LEDs
ボール紙をドーナツ状に切り抜き、ダイオードを隠しましょう。さて、裏側から指をあててみます。

tBeta / leak some lights
指が触れたことによる漏れ赤外線も認識できましたが、隙間からもじゃじゃもれですね。

better. tuned threshold more
しきい値(赤外線量の真偽のレベル)を調節するだけでもだいぶ落ち着きました。本作ではダイオード部分をきっちりシールドしましょう。でもとりあえずマルチタッチを認識できるところまではできました。

さて、試作はまだここまで。後編では、ハウジングとプロジェクターとの合体をして、無事に完成させたいと思います。

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